武器を配りたいなんて、どんな内容だろうかと気になりました。
私も大学生のころ、こういう本に出合えたらよかったなぁ。
って、あのころ出会っても「だからなに」とか若者特有の冷めた感じで何も感じなかったのでしょう。
本っていくら内容が良くても読み手側によって受け取り方の幅が出てしまうもの。
子育て中の今だから刺さる内容だったと思います。
レビュー数184件で4.0(2019年11月現在)
すごいです。
タイトルから内容があんまり想像できなかったのですが、これからの時代を生き抜くために必要と思われる考え方がギュっと詰まっています。
内容はまじめですがたまにクスッとできるところもあったりしましたので、あっという間に読んでしまいました。
こんな読みやすい文章を書けるのも素晴らしい、いったい著者はどんな人なの?
知っている方は知っていると思いますが、私は知りませんでした。
1971年か72年生まれ、2019年8月10日死去
京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授
東京大学法学部卒業後、同大学助手を経て、マッキンゼー&カンパニーで、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。独立後は、企業再生やエンジェル投資家としての活動をしながら、京都大学で教鞭をとる。全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長。著書に「武器としての決断思考」「武器としての交渉思考」(ともに星海社新書)、「君に友達はいらない」(講談社)など。
僕は君たちに武器を配りたい:著者紹介文参照
本当に残念なことに、今年の8月に亡くなられていました。
紹介文だけでもとても頭脳明晰な方だと読み取れますし、頭が良いという事だけでなく、先を見通す力とか判断力に長けた方ですね。
マッキンゼーでコンサルティング業務をしていたって聞いただけでもなんかすごい人!と思いますが、本を読むと文章がわかりやすいですし、例え方も上手だと思います。
もともと年齢を非公表にされていたそうですが、これはマッキンゼー時代にコンサル業務をする上で「年齢が分からないほうがやりやすい」と感じられたからだそうです。
これだけ有能な方で、大学で教鞭もとられて後進の指導をされていた人が若くして亡くなられてしまって、日本にとって損失ですよね。
そんな瀧本さんが残された著書「僕は君たちに武器を配りたい」を読んだ感想です。
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最近世界で起こっているニュースを見ている限り、武器といわれたらピストルや砲弾など、暴力的なものしか思い浮かびません。
瀧本さんが配りたいという武器はそんな物騒なものじゃないとは想像できますが、具体的にはなんなのか。
それは
自ら新しい「希望」を作り出す
ことができる力のことのようです。
私たち、というか現代の若者たちをとりまく日本の状況を”非情で残酷”と表現されています。
だからこそ、
とおっしゃっています。
投資家として活動してこられた英知を、読者に分けてくれるという素晴らしい著書です。
実践はやや難しいかもしれませんが、考え方さえ理解していれば「希望」を見出すチャンスはあるかもしれません。
コモディティ化(代替品と大差のない状態)して久しい私ですが、この本を読んだ時点で一歩、いや半歩くらいは抜け出せたかもしれません。
はい、必死です。
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著者の瀧本さんは京都大学で「起業論」を指導されていました。
その講義の受講率を学部別で見たところ、医学部生が一番高かったそうです。
京都大学の医学部に合格するなんてよっぽどの秀才ですし、お医者さんといえば安定した職業。
医師の国家資格さえ取れば、安泰だというイメージを持っている方は多くいらっしゃるでしょう。
未だに
「良い大学に入り、良い会社に入れば、一生安泰」
と考えている人は多いかもしれません。
バブル期以前はそうだったかもしれませんし、私も大学を卒業する辺りや20代くらいまではそう思っていました。
現実は国立大学医学生でも厳しく、若者が希望を持って踏み出せる社会ではなさそうです。
というか、実際働いていても活気、覇気みたいなものを感じられる人が周りには…いる??いない??
少なくとも私の現在の労働条件で、頑張れば暮らしが良くなりそうな予感はありません。
社会人になってもスキルを身に着けようと、英会話やプログラミング、朝活で読書や勉強など、向上心を刺激する活動をしている人は多いです。
ですが、スキルを身に着けたらその分収入が増えた、仕事の幅が広がったという話は、自分自身でも自分の周りでもあまり聞かないです。
ということは、これからの時代を生きる子供たちには、学力というより問題を見つけたり解決したり、考える力が不可欠になります。
土台となる学力・知識はもちろん必要ですが、アイディア力、気づく力、多角的なものの見方などが出来るようになればいいのかしら??
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瀧本さんがおっしゃる武器はどうしたら手に入れられるのか。
それは
だそうです。
日本で投資家というと、「胡散臭い…」と敬遠しがちですが、海外では投資家は尊敬されている存在の方が多くいらっしゃいます。
投資家は、世の中のメジャーじゃないところに目を付けて資金を投じ、メジャーになっていく手助けをするのです。
投資先がメジャーになれば、自分も大きく儲けられるのですが、大きくなりそうなメジャーじゃないところに目を付ける、という選択・判断が出来るかどうかが肝になりますね。
社会のどこにいてもメジャーなものに流れがちですが、一度立ちどまって自力で情報収集してみたり、マイナーでもいいと思ったものを選ぶという行動を日常的にしていけば、少しずつでも投資家的な考え方に近づいていけそうです。
具体的な考え方は本に掲載されていますので、そちらを参照してください。
学歴社会ではない、と思いたいですが、最近は中学受験がかなり加熱している様子。
我が家の子はまだ未就学なので中学受験はまだまだ先と思っていましたが、受験するなら通塾は3年生もしくは4年生から始まるとか??
しかも中学受験が現時点で”課金ゲーム化”しているとの記事もありましたので、お金さえ積めばある程度成功するようになっているようです。
が、それで中学受験がクリアできたとしても、それはもっと先にあるものにたどり着く途中だという認識のご家庭がどれだけあるか疑問です。
そもそも受験する中学校えを選ぶ時点で、”その先にあるもの”をイメージ出来なければ学校選びもぶれてしまいそうです。
中学受験がメジャーになっていますが、まず中学受験が必要なのかどうかから考えるのが投資家的な考え方なのかも。
私はこの本から、子どもが社会に出てからどう生きるかを自分で選べるような人になって欲しいなと思いました。
そして私もこれからの人生で多くのことを自分で選べるようになりたいと思っています。
子どもの英語学習については投資家的な判断できたと思っています!→パルキッズだよ!
もう一度読み直し、我が子に着けてほしい能力を確認して、さりげなく自然とその方向に導けるようにしたい!
そのためには、自分が先に武器を手にいられるようにするしかないですね。
コモディティ化した母にならないよう、精進いたします。
エッセンシャル版は文庫で持ち運びやすくて◎